2008年10月31日

第二章:09

 RSSリーダーとは、サイトがRSSリードという信号を発信することによって成立する。
 いままでのインターネットのツールたちは、インターネット上のどこかにある情報を探してきて、持ってくるという発想だったが、RSSリードとは、RSSという信号がインターネットに向けて発信されるのだ。
 これがあれば、メディアを必要とせず、コミュニケーションをとることができる。
 つまり、巨大なカテドラルの周囲などという人目に目立つところではなく、他人に目立たぬところで、好きなもの同士がコミュニケーションすることが可能になったのだ。

 たとえばこうだ。
 私はこの夏、「サイバージャーナリズム論」という共著本を出版した。このタイトルをキーワードに設定しておくと、この本の名前を含んだRSSを発信したブログが私のパソコンのRSSリーダーに表示される。
 これにより、私は書評を書いてくれたブロガーたちに、感謝のコメントをするとともに、本の内容について対話をするのだ。
 私のシナリオの師匠は、「作家は作品以外で作品を語ってはならぬ」との箴言を残している。文芸作品やドラマシナリオならば、作家が作品のテーマを語ることは禁じ手になるのかもしれない。
 だが、今回の作品は論文であり、読者が理解に及ばなかったり、不満に思ったり、物足りないと感じたことについて、著者である私が、知らぬ顔の半兵衛を決め込むことに妥当性はない。
 そこで出来る範囲において、私は読者との交流を試みるとともに、その感想を自らのブログにあげるとともに、次回作の参考として心に留めるのだ。

 RSSリーダーの存在しない時代だったらどうだろうか。私は暫時、グーグルでワード検索をかけて、当該語句を含んだブログやサイトを検索する。だが、その検索結果のトップに位置するのは、アマゾンやオンライン書店での紹介が並んでいる。
 グーグルでは基本的にりンクの様相により、情報の重要度が決する。したがって、RSSリーダーに反映されるようなブロガーが情報をアップしたとたん、出会うことができるという確立は低い。

 そのようにメディア以外のコミュケーションが成立しているのが、2007年だ。
 だが、ブログやRSSフィードが普及する以前のインターネットは、マッチングシステムが完備していなかったため、情報と情報所望者のマッチングの達成度は乏しい。1997年のエリック・レイモンドがいた場所から我々はかなり先の時代にすすんでいるのだ。
posted by スポンタ中村 at 19:02| 東京 ☁| Comment(0) | 第二章 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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